バース・オブ・ネイション 原題 The Birth of a Nation


バース・オブ・ネイション 原題The Birth of a Nation。

このタイトル、1915年に撮影された”KKK”の宣伝無声映画と同じです。そちらの映画は映画撮影技法の基盤とされ、映画学校で教材にも使われていたらしいのですが、内容が、、、(汗)

そのことにスパイク・リーは反対し、教授の資格を奪われそうになったらしいです。

そんなアメリカにおいて、今回のこの映画の監督、脚本、主役、制作の4役のネイト・パーカーは、意図的に同じ題名にしたとのこと。アメリカの人種差別主義に対する皮肉を込めたと言っていますが、内容はそれ以上の訴えをしているかのようです。根深いものを感じました。


ナット・ターナーは幼い頃から奴隷主に読み書きを教わり、聖書を読み、知的で、神への信仰が深い人物。

当時、奴隷を治めるために聖書は奴隷主達によって引用されていました。ある意味悪用。

ナットの主人は借金返済のために、ナットをプリーチャー(説教者)に立て、巡業を始めますが、その先々で、ナットは自分よりももっとひどい虐待を受けている同胞の姿を目の当たりにします。ついに暴行を受ける妻や仲間達を見て、ナットの怒りは頂点に達します。そんな彼が選んだのは戦いでした。


あるシーンで、ナットが詩篇をメッセージするシーンがあります。


詩篇149:1,5-9

Brethren, I pray you'll sing to the Lord, a new song.

Sing praise in assembly of the righteous.

Let the saints be joyful in glory,

Let them sing aloud on their beds.

Let the high praise of God be on the mouths of the saints

And a two-edged sword in their hand

To execute vengeance on the demonic nations!

And punishment on those peoples

To bind their kings with chains,

And their nobles with fetters of iron

To execute on them this written judgement!

This honor have all His saints! PRAISE THE LORD!

PRAISE THE LORD! SING TO HIM A NEW SONG!

PRAISE THE LORD! PRAISE THE LORD!

(New King James Version)


上が映画の元のセリフで、New King James バージョンの聖書そのままです。

以下が台詞の訳です。


「同胞たちよ どうか、主に向かって歌ってください 新しい歌を

”主の慈しみに生きる人よ 賛美の歌を歌え

主と共に生きる人は栄光に輝き 伏しても喜びの声を上げる

口に神をあがめる歌を

手には両刃の剣を 悪魔の国々に報復し

諸国の民を懲らしめ その王たちを鎖で縛り

貴族に鉄の枷をはめ 裁きを行う

これは信徒への誉れである!主をほめたたえよ!

新しい歌を歌うのだ!主をたたえよ!主をたたえよ!」


日本語聖書は新共同訳がちょうど当てはまりました。


1新しい歌を主に向かって歌え。主の慈しみに生きる人の集いで賛美の歌をうたえ。

5主の慈しみに生きる人は栄光に輝き、喜び勇み、伏していても喜びの声をあげる。

6口には神をあがめる歌があり手には両刃の剣を持つ。

7国々に報復し諸国の民を懲らしめ

8王たちを鎖につなぎ君侯に鉄の枷をはめ

9定められた裁きをする。

これは、主の慈しみに生きる人の光栄。

ハレルヤ。(新共同訳)


この詩篇を、虐げられた同胞達に語る中盤あたりから、ナットは涙を浮かべ、聞いている奴隷達も泣き叫び、祈り始めます。

黒人教会での説教や賛美のスタイルは、血の滲む行き場のない苦しみが、神への叫びとなるところから生まれていると思わされたシーンでした。

この後、戦いを始めるのですが、とても悲しい結末です。。。

ニナ・シモンの「Strange Fruit」をバックに最後のシーンは号泣で、しばらく立ち上がれませんでした。


Strange Fruit by Nina Simone

https://youtu.be/BnuEMdUUrZQ


ニナは歌手だけではない、公民権運動に参加していた活動家です。


ある程度の脚色はありますが、実際の歴史はこれ以上だったと思います。聖書も絡んでいるので、レビューするのには一言で語れません。罪の世の中の悲劇という一言で語れない悲しさ、悪魔に対する怒りと悔しさがあります。でも、このような歴史の中でも、彼らはあきらめずに世代を超えて希望を持ち続けたことを忘れたくありません。


私達の歌っているゴスペルのルーツ、黒人霊歌がどこから生まれてきたのか、やっぱり見ておいたほうがいいかなぁと思いますが、この話は重いので(事実です)、できれば元気のいい時の観てください。目を背けたくなるような残酷なシーンがたくさんありますので注意してくださいね。

そして、Jesusの十字架の希望と勝利だけは忘れずに。

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